研究課題
平成29年度は、カンボジア、インドネシア、ミャンマー、フィリピンの各国の水とごみ行政に係るデータ収集と聞き取り調査を行った。それぞれの国において、下水関連行政とごみ管理行政の関係者やJICAの担当職員等とミーティングを設定し、基本的データの収集と各国が抱える問題点をヒアリングした。ごみの廃棄物の最終処分場を複数見学させていただき、廃棄物管理に関する各国の行政上の取り組みについても視察した。とくに、廃棄物最終処分場におけるウエィストピッカーに対しての行政上の取り組みに関しては、各国ともに様々な取り組みを行っている印象を受けた、。例えば、フィリピンでは、担当管理局がウエィストピッカーに対してライセンス制を導入していたり、ミャンマーではごみ管理業者の作業員としてある程度の賃金と衣食住の保証をするなどの工夫が見られた。さらにミャンマーでは、日本のODAで建設された廃棄物焼却施設の見学を行い、担当者に途上国での廃棄物焼却の普及を妨げる要因等をヒアリングした。ミャンマーでは、ごみの分別が住民のあいだになかなか浸透せず、そのため、ごみを焼却場で分別するための人員を雇っている。このことは、途上国の貧困者に雇用を与えるうえで重要な取り組みではあるが、焼却場の規模が大きくなればなるほど、ごみ分別に対する対応が困難になるなどのお話しをうかがえた。途上国の水と人とのかかわりにおいて、カンボジアおよびミャンマーにおける水上居住者の実態調査と水質調査を行うことができた。とくに都市化と周辺の開発の進行を起因とする湖(トンレサップ湖、インレー湖)の水質と衛生状況の悪化についての知見が得られた。その他、継続して途上国の下水処理の効率化と水の再生利用に関するデータの整理・蓄積も着々と整っている。。
2: おおむね順調に進展している
昨年度は、南米を中心として調査する予定であったが、現地の研究協力者とのスケジュール調整がうまくいかず、もともと我々研究グループの得意とする東南アジアで調査を始めた。調査結果は非常に充実していると自負しているが、予定を変更せざるを得なかったことから、「おおむね順調に進展している」とした。
今年度は、すでに南米での調査スケジュールの組み立てはほぼ完了している。また若干イレギュラーではあるが、北アフリカの調査も並行して行う予定である。各国の、下水および廃棄物行政に係るデータ収集と聞き取り調査を行う。それぞれの国において、下水関連行政とごみ管理行政の関係者やJICAの担当職員等とミーティングを設定し、基本的データの収集と各国が抱える問題点をヒアリングする予定である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
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