研究課題
平成30年度は共同研究者プラチヤーを招へいし、9月18日、研究代表者、連携研究者を含め国際ワークショップ「タイにおけるピーコックバスを中心とした外来魚の現状と対策 Part2」を開催した。前年度に得られた調査結果の発表と本年度の実施調査予定を協議した。昨年度の調査で調査地上流部の環境はタイで唯一の泥炭湿地で、中心部は国立ラヨーン植物園の管理する極めて貴重性・希少性の高い場所であることが分かり、ここの持続的維持・管理と利活用という視点から外来種問題を捉え直し、調査地をラヨーンのみにした。10月5日カセサート大学で外来魚を対象としたタイ初の国際セミナ-"Problems of alien fish species in Thailand"を開催した。研究代表者岩田,共同研究者プラチヤー、研究補助院生友尻が発表した。特定外来魚指定を行う水産局職員が多数参加し、来年度に行政面に対して行う政策提言のネットワークが構築できた。雨季現地調査は10月20-25日、研究代表者岩田、連携研究者竹門・古澤、共同研究者プラチヤーが参加し標本をカセサート大で処理をした。乾季は1月30日-2月5日、研究代表者岩田、連携研究者奥田、共同研究者プラチヤーが 現地調査を行うことに加え次の取り組みをした。1)ラヨーン植物園がInternational Wetland Day 2019で行うイベントの一環として1月31日にこの機関と共催で講演会“持続的な湿地帯保全に関して社会と地域コミュニティーが理解を深めるために”を開催し、地元住民参加のもと共同研究者プラチヤーが外来種の説明と日本での外来魚駆除の概要を紹介したのに加え、アンケート調査を行った。2)2月2日、地元住民参加のもと駆除大会を開催し、共同研究者プラチヤーが同様の説明を行った後に駆除を行い、116尾の標本を得た。さらに同様のアンケート調査を行った。
2: おおむね順調に進展している
2017年度の調査で、当調査環境がタイ内陸部ではおそらく唯一の泥炭湿地で、その中心部は国立のラヨーン植物園の管理する極めて貴重性・希少性の高い場所であることが判明したため、2018年度は当初の目的を拡張し、この湿地の持続的維持・管理をするための利活用という視点から外来種問題を捉え直すという研究目的の高度化が図られた。当初予定された調査に加え、本研究に直結する国際セミナーや公開講演会、地域住民参加によるピーコックバス駆除大会、アンケート調査等が行われたほか、タイの特定外来魚指定を行う水産局職員とのネットワークを構築することができた。安定同位体分析のためのサンプルの前処理はすべて完了したが分析機器の故障により平成30年度内に結果を得ることはできなかったが、2019年度の初頭にはこの遅れを挽回できる予定であり、以上の事柄を総合的に判断すると、2018年度において本研究はおおむね順調に進展していると判断される。
最終年度にあたり、これまでの研究結果(安定同位体分析結果とその解釈、食性,魚類相・ベントス相、アンケート結果等)に加え、当該調査湿地の持続的維持・管理をするための利活用という視点から外来種問題を捉え直すという研究目的の高度化が図られたことを加味して、最終的にタイ行政機関へ行う具体的提言の内容を論議するため、2019年7月にタイから共同研究者プラチヤーを招へいして国際ワークショップを開催する。ラヨーン植物園の管理する区域をコアゾーンとして雨季(2019年8月下旬)、乾季(2019年10月下旬)にフィールド調査を実施する。これらの結果を踏まえ、2020年2月にタイ 水産局職員等の行政機関等参加のもと、国際ワークショップを開催し、当該調査湿地の持続的維持・管理をするための利活用という視点からピーコックバスを含めた外来種問題の具体的対策を提言する。それらの結果を論文等で公表する。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 8件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 9件) 学会・シンポジウム開催 (2件)
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