研究課題/領域番号 |
17H04615
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山田 敏彦 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (70343952)
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研究分担者 |
中島 大賢 北海道大学, 農学研究院, 助教 (70710945)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | バイオマス作物 / 耐乾性 / 遺伝資源 / 特性評価 |
研究実績の概要 |
1.「北米ユタ州ブリガムヤング大学野外フィールドにおけるススキ属耐乾性評価」の研究課題:研究代表者らはこれまで国際共同研究の中で、中国、韓国および日本などから収集されたススキ属遺伝資源系統を含む約1,200遺伝子型に関してSNPマーカー約2万個以上を用いて多型解析を行った。遺伝構造解析の結果に基づき選定したススキ属コア集団、計60系統が、米国イリノイ大学および北海道大学でそれぞれ保管されている。日本からはススキ属植物体を植物検疫上の問題で米国には送付できないので、海外共同研究者のイリノイ大学EJ Sacks博士から、ブリガムヤング大学のJR Stewart博士にMTAを取り交わして送付が行われた。今年度は手続きに時間を要し、圃場への移植はできなかったが、次年度から調査を開始する。研究代表者らは平成30年2月にブリガムヤング大学に訪問して、調査法の確認を行った。 2.北海道大学における施設を利用したススキ属耐乾性評価法の確立:北大の農場内に降雨を遮断したハウス施設を設置し、ススキ属コア集団60系統を用いて、潅水制御による乾燥耐性の評価試験を行った。一次選抜として、60系統から25系統を選抜した。さらに、第二次選抜として、乾燥耐性に優れる8系統、弱い2系統を選抜した。また、ブリガムヤング大学のStewart博士の協力で、土壌センサーと電磁弁制御による最適な耐乾性評価手法を、平成30年度に確立する予定であったが、前倒しで確立できた。 3.北米に自生しているアガベ遺伝資源収集:平成30年2月に北米の乾燥地におけるアガベの遺伝資源収集を実施した。合計で10点の遺伝資源系統を採取し、植物体はブリガムヤング大学で保管されている。北限の材料であるので、低温耐性を示す遺伝子型として期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「北米ユタ州ブリガムヤング大学野外フィールドにおけるススキ属耐乾性評価」の課題については、MTAの関係で試験が遅れた。しかしながら「北海道大学における施設を利用したススキ属耐乾性評価法の確立」では、土壌センサーと電磁弁制御による最適な耐乾性評価手法を、平成30年度に確立する予定であったが、前倒しで、平成29年度に確立できた。よって、本研究課題としては、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
1.北米ユタ州ブリガムヤング大学野外フィールドにおけるススキ属耐乾性評価:遺伝構造解析の結果に基づき選定したススキ属コア集団、計60系統について、ブリガムヤング大学野外フィールドにおいて、耐乾性に関する特性調査を行う。バイオマス重量と各種特性との関連性を明らかにするとともに、最終的には、コア集団系統における耐乾性の順位付けを行う。 2.北海道大学における施設を利用したススキ属耐乾性評価法の確立:前年度に確立した土壌センサーと電磁弁制御による耐乾性評価手法を用いて、ススキ系統の耐乾性の評価を行うとともに耐乾性に関する特性調査を行う。ユタでの圃場のデータとの関連性を明らかにする。また、次年度のトランスクリプトーム解析のために、耐乾性に優れる系統、弱い系統を選抜する。 3.北米に自生しているアガベ遺伝資源の特性評価:研究代表者らが前年度に収集した10系統に、ブリガムヤング大学で保管されているアガベ系統50系統を加えて、計60系統について耐乾性に関する特性評価を行い、耐乾性の順位付けを行う。
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