研究課題
1. RAD-seq等の遺伝多型情報からグループ分けした野生系統および園芸品種から構成されるススキ属(Miscanthus spp.)コア集団から選抜した系統について、北大の降雨を遮断したハウス施設内に設置した土壌センサーと電磁弁制御で得られる干ばつ条件で耐乾性評価を行うとともに植物光合成総合解析システム(LI-6400XT)を用いて光合成能特性関連のパラメーターを計測した。また、同様のススキ属の材料を供試して、アメリカ合衆国ユタ州ブリガムヤング大学の温室内においても、1週間に一度の潅水による段階的な干ばつ条件を設定する条件で、耐乾性評価と光合成能特性関連の各種パラメーターを計測した。両試験で得られたデータを基に干ばつストレス指数(DSI)を作出し、主成分分析を行い、乾燥耐性の順位を同定した。日米で実施された両試験では、地点による交互作用はみられるものの、乾燥耐性に優れる系統は日米両試験で一致した。ススキ属のオギ(M. sacchariflorus) はススキ(M. sinensis)に比べて、乾燥耐性に劣り、生育地の影響が考えられた。2.長江―秦嶺山脈地域から収集されたススキ「PMS-285」は、中程度乾燥条件で、乾燥耐性に優れ、干ばつ条件でも比較的高い光合成能力を示した。活性酸素 (ROS)との関係性が示唆された。3.ミスケーン植物体(ススキおよびオギとサトウキビとの雑種植物体)について、乾燥耐性と関連のある低温時での光合成能力に関する各種パラメーターを計測したところ、雑種個体は両親であるススキ属とサトウキビの中間であり、サトウキビへの低温環境適応性の付与にススキ属由来遺伝子が寄与できることが期待できた。乾燥耐性の検定は供試材料の準備が整わなかったので、試験期間終了後に、潅水制限による耐乾性評価を実施する予定である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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