研究課題/領域番号 |
17H04620
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中山 二郎 九州大学, 農学研究院, 准教授 (40217930)
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研究分担者 |
深見 克哉 九州大学, 有体物管理センター, 教授 (00515322)
善藤 威史 九州大学, 農学研究院, 助教 (50380556)
福田 真嗣 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任准教授 (80435677)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 腸内細菌叢 / 腸内フローラ / 食 / 肥満 / 糖尿病 / 生活習慣病 / アジア / マイクロバイオーム |
研究実績の概要 |
腸内細菌叢の偏倚“Dysbiosis”は腸内環境を悪化させ、その結果腸管が炎症状態となり、種々疾病を惹起する 。また、申請者らのこれまでの研究成果も含め、食の西欧化・近代化が腸内細菌叢のバランスを変え肥満や大腸がんのリスクを上げていることが分かってきた。一方、元来、西欧食とは一線を画す食文化に 富むアジアではその影響は益々大きいと考えられる。そこで、本海外調査研究では、食の欧米化・近代化がアジア人の腸内細菌叢にどのような変化をもたらし、 それがアジア人の健康にどのように影響を及ぼしているか、アジア横断的に調査することを目標としている。特に、現代生活習慣病であり種々疾病の元凶である 肥満と糖尿病に着目する。そして、アジア人がグローバル化する食事情にどのように対応していくべきか、将来に向けて考察する基礎知見とすることを目標としている。本年度は、サンプリングに向けての準備を終え、実際に海外4か国(モンゴル、インドネシア、フィリピン、タイ)にてサンプリングを開始した。サンプリングは、健常群、肥満群(BMI>30)、2型糖尿病群(HbA1c>7.0)、そして肥満+2型糖尿病群、の4カテゴリーを対象に各群30名を目標に、血液検査、糞便の採取、食生活アンケートを行った。モンゴル、フィリピン、タイはまだサンプリング中途で分析を開始していないが、インドネシアについては、サンプリングが一部完了し、解析を開始した。その結果、健常群にて他群に比べて、種々酪酸生産菌を含むClostridiales目細菌が多いことが示された。今後メタボローム解析も行い、実際に酪酸量に変化があるかどうか調査する。また、肥満患者と2型糖尿病患者の間にも細菌叢に差が見られているので、それらの細菌群と病態との関連にも興味が持たれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までサンプリングの準備で進捗が危ぶまれたが、本年度はいよいよ開始することができた。2019年度は最終年度であるが、サンプリングを完了させ、解析できる状況にあるので、おおむね順調と自己評価する。
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今後の研究の推進方策 |
上述したように、サンプリングについては、概ね順調に進んでいる。逐次サンプリングできたものから、細菌叢解析、代謝物解析を行い、アジアにおける食と腸内フローラと生活習慣病の関連性を調査する。
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