研究課題
タイワンカブトムシ(別名サイカブトムシ:Oryctes rhinoceros)はヤシ類の害虫である。本種は、1909年に南アジアからサモアに侵入して以来、太平洋州に分布を拡大したが、1970年代から80年代にかけて天敵ウイルスであるヌディウイルスを用いた防除が実施され成功をおさめその被害が抑えられていた。しかし、2007年よりグアム(アメリカ合衆国)を中心に特定のハプロタイプ(グアムの頭文字をとってGタイプ)が出現し、本種の侵入地では、ヤシ類の被害が甚大になった。そのため太平洋州を中心に現在も大きな問題になっている。2020年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で海外渡航ができず、Gタイプをグアムから輸入できなかったため、これまでパラオから送られてきていたサンプルを用いて、パラオ株の新規分離とその病原力の比較を行った。その結果、パラオでフェロモントラップで捕獲された飛翔能力のある成虫から感染力のあるヌディウイルスが分離され、これは生物的防除資材として一般的に使われているX2B株に比べて異なる特徴を示した。すなわち、パラオ株幼虫個体における増殖力が低く致死時間が遅いことがわかった。パラオ株とX2B株の全ゲノム配列を次世代シーケンサーにより行った結果、両者は非常に近縁でアミノ酸配列の一致度は90%以上であった。これらの結果をまとめて国際共著論文を投稿した。また、日本応用動物昆虫学会や本種の防除に関する国際連携セミナーで口頭発表した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
Journal of General Virology
巻: 101 ページ: 3-4
10.1099/jgv.0.001381
https://www.researchsquare.com/article/rs-379795/v1