研究課題
耐震性および浸透特性の解析を国内で進めながら,ブータン王国内における現地実証試験の具体化を進めた。具体的には,現地で確保できるベントナイトならびに母材を用いたベントナイト混合土の特性評価,ならびにため池堤体の建造技術への応用であった。ところが、現地実証試験に必要な資機材の国外からの搬入に必要となる公式な関係構築(高知大学とブータン王国DOAとの協定締結)が、ブータン王国側の諸事情(政権交代に伴う外交ポリシーの変化)により遅れが生じたが、最終的には2019年8月に承認された。これを受け、2020年2月~3月に、タンパ―など軽作業を利用したベントナイト混合土の諸特性を現地にて検証しながら、実証用ため池の築造を行うことができた。2020年4月初より湛水を開始し、現地カウンターパートによる漏水や貯水位の異常などの継続的な監視を続け、そのために本研究課題の事業期間を1年間延長した。貯水開始後1年を経過しても異常は確認できなかった。また、DOA主導で当研究グループの助言のもと、新たなため池の築造を行い、現地技術者への技術の普及の可能性を確認することができた。本来であれば、事業期間の延長中に現地での調査を予定していたが、コロナウイルスの感染拡大によるブータン王国の国境閉鎖などが続いているため、実現できなかった。しかし、本研究課題の主目的となる発展途上国における小規模ため池の築造技術の開発と社会実装は、概ね実現することができた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。