中央アジアにおけるウシ科，ラクダ科家畜とその近縁種の遺伝資源学的調査研究

2019 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 17H04637
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 海外学術
• 研究分野: 動物生産科学
• 研究機関: 広島大学
• 研究代表者: 西堀 正英 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (80237718)
• 研究分担者: 山本 義雄 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 名誉教授 (10032103) ; 国枝 哲夫 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (80178011) ; 万年 英之 神戸大学, 農学研究科, 教授 (20263395) ; 米澤 隆弘 (財)進化生物学研究所, その他部局等, 客員研究員 (90508566) ; 野村 こう 東京農業大学, 農学部, 教授 (60277241) ; 高橋 幸水 東京農業大学, 農学部, 助教 (50408663) ; 黒澤 弥悦 東京農業大学, その他部局等, 講師 (40600747) ; 山縣 高宏 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (50242847) ; 川本 芳 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 客員教授 (00177750)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 中央アジア / 在来家畜 / 遺伝資源 / DNA / ラクダ / ハイブリッド / 保護 / 保全

研究成果の概要

シルクロードの拠点である中央アジア諸国には各種家畜が集まり，世界的に貴重かつ固有の特性および豊かな多様性を持った動物遺伝資源を有する。本研究では，ウシ科，ラクダ科家畜とそれらの近縁野生種を対象に，遺伝資源学的調査（形態，表現型特徴およびDNA情報による遺伝子学的解析）を行い，それらの家畜および野生種の遺伝的類縁関係，遺伝的多様性および遺伝的特性を中央アジア諸国との共同研究で明らかにすることを目的とし，これら在来家畜とその近縁野生種の遺伝学的な解析により得られた遺伝情報を中央アジア各国と共有・公開し，その遺伝的情報を基に家畜の効果的利活用および野生動物についてはその保全策の策定，提案を行った。

自由記述の分野

動物遺伝学

研究成果の学術的意義や社会的意義

中央アジアで現地調査を行うことにより，遺伝資源，遺伝子資源の現状が把握できるとともに，これまで在来家畜研究会【アジアの在来家畜，2009】で調査してきた南アジア，東南アジア境界領域の家畜の流入・移動・交雑の実態と，近隣諸国の在来家畜集団との関連を生物学的に明らかにすることができる。さらにシルクロード文明における家畜種の移入，移動についても考察することができる。中央アジアのウシ科，ラクダ科家畜の遺伝的特徴が明らかとなることで，畜産業への遺伝学的な貢献ができるものと考える。
サイガの大量死の事態に対する集団遺伝学的なアプローチによる遺伝資源の保全策の検討が可能となり極めてユニークな研究といえる。