研究課題
自己炎症疾患は、周期性の発熱発作を特徴とする難治性炎症疾患である。家族性地中海熱に限れば中東には10万人以上の患者がいる一方で、本邦には1000人程度のため、鑑別に挙がらず、診断に難渋することが多い。また、疾患責任遺伝子変異が種々判明しているにもかかわらず、周期性や未発症キャリアが存在する原因は不明である。そこで、自己炎症疾患の遺伝子変異をもつ症例の多いトルコの研究機関と連携し、申請者らの開発した無細胞疾患責任分子複合体アッセイ系である試験管内インフラマソームと質量分析により、患者臨床検体中のどの成分が発症トリガーとして疾患責任分子複合体の相互作用に影響するかを解明し、自己炎症疾患の発症と周期性のメカニズムを解明する。本年度までに、発作のトリガーとなりうる単一成分候補を複数同定し、試験管内インフラマソームとヒト胎児腎芽細胞株HEK293T細胞、ヒト単球系白血病細胞株THP1細胞、ヒト末梢血単核細胞を用いて、相互作用する内因性物質と環境中の外因性物質に対する反応性の解析を行った結果、血中のアミロイドやヒアルウロン酸などの内因性代謝産物がNLRP3インフラマソームの直接活性化に関与する可能性が示唆され、pyrinも類似する内因性代謝産物で活性化がみられる可能性が示された。pyrin変異がこれらの活性化にどのように関与していくかについて解析を進めている。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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