研究課題/領域番号 |
17H04657
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
岡 靖哲 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (60419025)
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研究分担者 |
松原 圭一 愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (80263937)
松原 裕子 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (60403820)
高田 律美 四国大学, 看護学部, 准教授 (20515803)
檜垣 高史 愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (60253308)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 子宮内胎児死亡 |
研究実績の概要 |
途上国においては妊婦健診や周産期医療が未整備で,2020年までに子宮内胎児死亡率を半減させるとの国際的な目標も掲げられていたが,十分な成果が得られておらず,途上国での母子保健対策が進展していない現状がある.途上国の実情に即した子宮内胎児死亡対策を現地で実施し,国内および現地医療従事者と共同で適応性を評価してきた胎動計を活用した妊婦スクリーニング法を実地運用することで,胎児リスクの評価法を確立するとともに,途上国の医療事情の中で実現可能な子宮内胎児死亡対策の適応性を実証することを目的として研究を実施した. 初年度の検討として,まず現地の実情に適したモニタリング機材として胎動計が有用であることを確認し,現地での継続的な使用にあたりどのようなカスタマイズが必要かを現地医療従事者と議論を重ね,最も適した器材仕様を設定した.妊婦の栄養状態や,妊娠高血圧,高いHIV感染率など,先進国での対策と同様のもの,異なるものを分類し,対策システムを構成するための基礎データを得た.また,現地が求める継続可能な支援とするために現地で活用できる人的資源を,大学教育病院(UTH),地域病院等との協力にて確保し,子宮内胎児死亡の頻度および子宮内胎児死亡リスクについてのデータを収集した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
子宮内胎児死亡のリスク評価のためのモニタリング機材として,現地の事情に適した胎動計を選定・カスタマイズする作業に当初より時間を要したが,研究の遂行に必要な機材を確定し,研究を継続している.
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今後の研究の推進方策 |
実施中の妊婦対象の評価をさらに症例を増やして継続すると共に,対象妊婦から得た経過中の情報を産褥・新生児期のデータとあわせて解析・出産アウトカムと照合する.実施施設における子宮内胎児死亡の頻度を検討するとともに,子宮内胎児死亡と関連する,妊娠歴,血圧況,臨床検査データ等の因子を解析する.胎動シグナルを用いた胎児評価については必要に応じて判定手順の見直しを行う.特に非医療従事者でも結果を判定できるようにするためにアフリカ人を対象とする判定ルーチン(ソフトウエア)について検討する.現地で実際に子宮内胎児死亡を改善するにあたり,医療従事者(医師,助産師,看護師)が居ない地域で,保健従事者(保健ボランティア)等でも子宮内胎児死亡対策を運用でき,必要な医療支援につなげられる医療システムをどのように構築できるかを念頭において,現地医療者と共に考案する.
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