研究課題/領域番号 |
17H04671
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森山 雅文 九州大学, 歯学研究院, 助教 (20452774)
|
研究分担者 |
佐藤 康晴 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (00579831)
中村 誠司 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60189040)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | IgG4関連疾患 / 国際共同研究 / 病態 |
研究実績の概要 |
平成29年度はまず臨床的データの収集・解析を中心に以下の研究を行った。 1)日米の IgG4 関連疾患(IgG4-RD)患者の罹患臓器および血液採取と臨床データの収集 アメリカ合衆国ボストンのRagon 研究所(ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、マサチューセッツ総合病院(MGH) の共同出資施設)に赴き、MGH に受診した IgG4-RD 患者の臨床データ(現病歴、既往歴、現症、画像所見、病理所見、血液データ)を収集した。さらに、九州大学病院(日本)に受診した患者についても同様に臨床データを収集した(総数:108例)。 2)日米の IgG4-RD 患者の臨床データの比較検討 最近の IgG4-RD の臨床論文で、本邦と欧米で臨床所見に差異があることが指摘されている。特にキャッスルマン病との鑑別が困難なため、収集した患者に鑑別疾患が含まれていないかを IgG4-RD と鑑別疾患(キャッスルマン病や悪性リンパ腫)の病理の第一人者である岡山大学病態検査学の佐藤教授(研究分担者)により検証した。その結果、日米での平均年齢、男女比、罹患臓器数、病変局所の IgG4 陽性細胞数、血清 IgG4 値、アレルギー疾患の有無には差異はないものの、血清 CRP 値が米国の症例でやや高値であった。その大きな要因は米国の症例で数例キャッスルマン病が含まれていることが考えられため、研究分担者の佐藤教授に病理診断を依頼した。その結果、キャッスルマン病と新たに診断された患者を除外すると、今回の検討では明らかな臨床的人種差は認められなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標の症例数を収集できている。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度以降の研究では、IgG4-RDの臨床的差異だけではなく、免疫学的に差異がないかを検討し、最終的には日米共通疾患関連分子を同定する。
|