IoTアプリケーションの多くは、最終結果に大きな影響を与えずに、計算の一部を近似可能と言う特徴を持つ。これまでも、信号処理において人が知覚できない誤差を許容する実装が行われてきたが、設計者の経験と勘に頼るところが多く、体系化されていなかった。本研究は積極的・体系的にアプリケーションの許容誤差を活用する、組込みシステムの新たな設計パラライムを構築することを目指す。まず、近似計算の静的解析フレームワークSSA-ACを構築した。さらに、3つのIoTアプリケーションに近似計算を適用し、従来の組込みハードウェア設計より効率的な高速化・エネルギー削減を実現したことで、本研究の有効性を実証した。
|