昨年、オープンソースの自動運転ソフトウェアAutowareと、おじくオープンソースの協調型ITSソフトウェアのOpenC2Xを組み合わせて、路側拠点システムを構築した。これらの成果を、国際学会VTC2020-Fallおよび、ジャーナルSensorsにおいて発表した。
本年度は、車両の将来の行動計画/経路を定義し、複数の車両の将来の経路情報に基づく時空間予測を用いて、交差点における協調的な経路計画モデルを設計した。Autowareを用いて提案手法を実装し、LGSVLシミュレータで評価を行った。ブラインド交差点のシナリオで2台の車両によるシミュレーション実験を行ったところ、各車両は関係するすべての車両の行動計画を反映した経路を計画することで、安全かつ効率的に走行できることがわかった。また、路側拠点システムを導入することで、交差点での単独自律走行の場合と比較して、23.0%と28.1%の時間短縮を実現した。
また、自動運転車は、より良いリアルタイム知覚に加えて、行動計画を調整することで、より高い安全性と効率性を実現する必要があります。本研究では、様々なシナリオをカバーするために7つのメッセージを使用する走行調停プロトコルと、抽象化された走行調停サービスを設計した。これらをAutowareとOpenC2Xを拡張することで実装した。その結果、メッセージ交換をイベントドリブンな方法で制限することにより、通信帯域を効果的に抑制することができた。さらに、本方式を用いた場合、車両速度が30km/hのときには15%、50km/hのときには28%の速度で走行できることが示された。また、メッセージタイムアウトのパラメータを適切に設定することで、パケットロスに対する耐性があることを実験で示した。これらの成果は国際学会に投稿し、査読を受けている。
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