スマートフォンやスマートウォッチから観測されるセンサデータから、環境に依存せず観測されるパターンを用いて、現在位置のセマンティックラベル(トイレやキッチンなど)を推定する手法を実現し、IEEE Sensors Journalに採録された。時系列センサデータから、特定の場所クラスによく現れるパターンを発見する手法を開発し、その出現から、ユーザが現在滞在している場所クラスを推定する。同時に得られたWi-Fi信号のフィンガープリントに対して、推定された場所クラスを紐づけることで、以降はWi-Fi信号のみを用いて現在の場所クラスを推定することができる。実験は、実際の4つの家庭環境において行われ、約87%の精度で場所クラスの推定を行えることが確認された。 上記のような本研究の本流のテーマに加え、Wi-Fi電波情報がメタデータ付けされたカメラ撮影画像を用いて自動的にWi-Fiを用いた滞在店舗推定手法の実現も行った。当該手法は、2022年の人工知能学会全国大会にて発表される予定である。当該手法は、ショッピングモールなどにおけるチェーン店は、その内装が類似しているという点に着目して、カメラ画像が撮影されたチェーン店クラスを推定する。これにより、ショッピングモール内の店舗とWi-Fi情報との紐付けが可能となるため、複数の紐付けされた情報を用いて、Wi-Fi電波から店舗フロアマップの座標へと変換するマッピング関数を推定する。このマッピング関数により、Wi-Fi電波から屋内位置の推定をすることができるようになる。
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