多次元多重型光ネットワークにおける資源割当を主要課題として、(1) マルチコアファイバにおけるクロストークを許容閾値以下に保ちつつ周波数資源フラグメンテーションを抑制するヒューリスティック型周波数資源割当の評価、(2) 事前設計フェーズと個別割当フェーズに分割し資源割当設計を行う遺伝的アルゴリズムを用いた資源割当手法の改良と長時間のシミュレーション評価、(3) 強化学習を用いた周波数資源割当手法を開発、及び光ネットワークの中継スイッチ設定のための分散型シグナリング・周波数資源管理部を含めた周波数資源割当システムアーキテクチャの設計を中心に実施した。 (2) に関してモンテカルロシミュレーションを通常よりシミュレーション内時間で100倍以上長期間実施し、光パス設定需要が継続した場合の将来的なネットワーク性能を棄却率を元に算出し現時点の周波数資源利用状況と周波数割当方策の妥当性を評価した結果、遺伝的アルゴリズムを直接周波数資源割当に用いるアプローチでは、大幅な性能改善の可能性が見込めないことを明らかにした。そこで、すでに別途検討を進めていた機械学習を用いた周波数資源割当アルゴリズムに対して、(2)で検討を進めていた2段階の資源割当設計を応用し、強化学習をベースとする周波数資源割当システムアーキテクチャとして、資源管理を含めた全体を設計し、シミュレーション評価を実施した。基本結果を学会発表するとともに、国際会議・論文誌への投稿準備を進めた。
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