研究課題/領域番号 |
17H04683
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小川 健二 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (50586021)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 認知神経科学 / 感覚運動制御 / 脳機能イメージング |
研究実績の概要 |
運動学習において、実際の学習後に休憩期間を置くことが運動成績の向上や運動記憶の固定化を助ける現象が多くの行動実験から示されているが、休息中の安静時脳活動が学習に及ぼす影響は不明である。そこで本研究では、安静時脳活動が運動の学習や記憶形成に果たす役割を、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて検討した。実験では、視覚運動課題としてスクリーン上をランダムに動き回るターゲットを、ジョイスティックを使ってトラッキングする課題を用いた。その際、カーソルの運動と実際の手の運動方向との間に回転変化を導入することで、新規な視覚運動環境での学習を実施した。またコントロール課題として、直前に被験者本人の行った運動学習試行の視覚的なリプレイが呈示され、それを受動的に眺める試行を実施した。その実際の運動学習後に、再度安静にした状態での脳活動を計測した。その後、同じ運動課題を実施した。全ての課題はMRIスキャナの中で実施した。分析時では、まず運動学習セッションでの脳活動パターンを用いて運動学習試行とリプレイ試行との識別を試みた。次にその識別器を、学習後の安静時脳活動パターンに対して適用した結果、運動学習前と比べて運動学習試行の脳活動パターンの増加が観察された。このことは学習後の安静時においても運動学習時と同じ脳活動パターンが再現されていることを示唆する結果である。本成果を認知神経科学の国際学会であるCognitive Neuroscience Societyにて発表した。さらに、ニューロフィードバックについて既存のソフトウェアであるOpenNFTを導入し、リアルタイムに脳活動を被験者に提示できる環境を整備した。そして一次運動野および運動前野を関心領域としたニューロフィードバックを実施し、それらの部位に対する効果を検証した。結果、一次運動野に比べて運動前野に対する効果が大きいことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
安静時活動におけるリプレイ活動の実証、およびニューロフィードバックの環境整備とパイロット実験を実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に有効性が示された運動前野を対象として、ニューロフィードバックを実施し、運動学習への効果を実証する予定である。
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