研究課題/領域番号 |
17H04686
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
青砥 隆仁 筑波大学, 図書館情報メディア系, 研究員 (00785462)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | コンピュテーショナルフォトグラフィ / 物性光変換 / コンピュータビジョン / コンピュータグラフィックス |
研究実績の概要 |
本年度は物性変換理論に必要不可欠な光の時間・空間・波長方向を観測するためのデバイスとして光の波長情報をワンショットで撮影するデバイスの作成を行った。従来、波長情報を獲得するためには、空間のライン情報と波長情報を取得するデバイスを用い首振りを行うことで空間の分光情報を撮影する方法や波長の異なるフィルタを用いてカメラの撮像素子を空間分割する手法が提案されていた。前者は撮影に時間がかかるという問題があり、後者は分割数に応じて解像度が低下する問題がある。一方提案されたデバイスは万華鏡にうつる多重反射された撮像結果と計算機による演算によってワンショットかつ幅広い分光情報を獲得することが可能であるという特長がある。また、物性光変換として粘弾性の計測を深化させた。従来の粘弾性の計測はより硬い領域において計測されていたり接触式の方法が提案されていたが、本研究成果によってこれまで計測が困難であった領域の粘弾性の計測を非接触で行うことを可能にした。また、粘弾性の計測にあたり、専用の装置をスタンドアロンで動作するように設計を変更し、様々な環境において計測が可能となるように装置の設計を行った。 最終年度に向けた長期計画として、対象とする物性として濡れ性を対象とした計測装置の開発にも着手し始めた。濡れ性とは対照物体がどの程度水分を含んでいるのかという情報を調べることであるが、光の情報のみではこの計測は困難であるため、対象物体の濡れ性を微小に変化させるための装置の開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
専用装置の開発に関して部品の供給が十分でない部品を大量に用いる必要があり、これらの入手に想定以上の時間がかかったため。具体的には光源部分に用いるレーザーおよび応力発生装置に必要なドライバが生産終了によって入手できる数に限りがあり、基盤の設計から見直す必要が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
装置の試作以外の方法に関しては概ね順調に進んでいる。様々な物性をコントロールするデバイスはこれまで専用設計が各分野において成されてきていたが、基本構造は大きく変わらない。そこで、物性をコントロールするデバイスの発生部分を容易に交換可能にすることによって様々な発生装置を低コスト・短期間で製造可能にすることも視野に入れて今後の研究に取り組んでいきたい。
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