研究課題/領域番号 |
17H04701
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生命・健康・医療情報学
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研究機関 | 京都大学 (2020-2021) 北海道大学 (2017-2019) |
研究代表者 |
西浦 博 京都大学, 医学研究科, 教授 (70432987)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 感染症情報 / 疫学 / 数理モデル / 危機管理 / 保健情報 |
研究成果の概要 |
隔離を含む非医学的対策は病原体に非特異的なため、ワクチンや治療法が開発されていない感染症など、幅広い対象に実施可能である。しかし、隔離による2次感染予防効果は明らかにされてこなかった。本研究では、感染者の感染後経過時刻の関数として隔離実施を加味した2次感染発生の数理モデルを構築し、疫学情報を分析することにより、隔離の効果を明示的に推定した。加えて、研究遂行中、新型コロナウイルス感染症が流行し、同感染症の非特異的対策に係る研究に取り組んだ。同感染症の発症間隔の平均値は約5日間と短く、潜伏期間に近しいことを示した。
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自由記述の分野 |
感染症疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
隔離効果の推定手法を定式化し、2014年のナイジェリアにおけるエボラ出血熱流行データから隔離が2次感染を約46%減少させたことを実証した。また、新型コロナウイルス感染症では発症間隔と潜伏期間の値がほぼ同じ程度であり、同感染症の2次感染の多く(実際には50%程度)が発病前に起こっていることを示した。本情報は、新型コロナウイルス感染症の流行対策においては単なる早期診断と隔離だけでは流行を制御することはかなり難しいことを意味するものであった。本研究によって接触者追跡に基づく対策が無益なものにならないように遡り調査が実施され、同論文は2022年6月1日時点までに合計1066回の引用を受けた。
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