研究課題/領域番号 |
17H04703
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
竹本 和広 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (40512356)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ネットワーク科学 / 微生物生態系 / 代謝ネットワーク / 数理生物学 / 環境変動 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、大規模生物データから微生物生態系を復元し、その機能・安定性評価や診断のための理論を構築する。また、これらの手法を実問題に応用する。 本研究の有用性を明確にするために、生物間の相互作用を復元する(推定する)ために用いられる別の手法である共起ネットワークアプローチの検討を行った。具体的に、既存研究でよく用いられているネットワーク推定手法の予測性能を体系的に評価した(Hirano & Takemoto 2019)。結果として、これらのネットワーク推定手法は現実の相互作用をほとんど反映しないことを明らかにした。これは現在の研究動向に対する注意勧告として注目されている。国際会議でignite talkとして選抜された。 ヒト腸内細菌叢データを申請者の提案手法で解析し、症例対照研究を行った。具体的に、健疾病患者における微生物生態系は、健康な人のそれと比べて、協力性が低く、競争性が高く、安定性や回復性が低いことが示された(Takemoto 2019)。これらの成果は提案手法に基づく医療診断に役立つものと考える。 昨年度までに準備した微生物の代謝能力のデータを用いた応用研究を行った。具体的に、原核生物と真核生物の2分に対するLane-Martin仮説の再検討を行った(Chiyomaru & Takemoto 2020)。より大規模なデータを用いて適切な統計手法で解析することで、この広く受け入れられている仮説は有望でないことを示した。 また、ネットワーク理論における脆弱性の理論を応用し、深層ニューラルネットワーク(DNN)の脆弱性についても研究を行った。具体的に、DNNの出力を大きく変化させる(誤らせる)ための入力を生成するための手法開発を行った(Hirano & Takemoto, 2020)。これを医療画像診断用DNNに応用した(平野など2019; 三奈木など2019)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
手法開発と応用研究は順調に進んでいる。特に、実データを利用して、研究成果を着実にあげることができている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も、基本的には当初の研究実施計画通りに進める。特に最終年度であるのアウトプットに注力する。具体的に、ソフトウェアの準備と公開そして応用研究の拡充である。得られた成果を国内学会・国際会議、論文で発表する。
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