本研究で開発したCAM-ATRASは、エアロゾルの粒径とBCの混合状態を詳細に表現できる全球エアロゾルモデルである。また、粒径・混合状態の変化とそれに伴う光吸収量・吸湿性の増大を理論に基づいて計算することで、光吸収性エアロゾルとその混合状態・光吸収量の推定精度を大幅に向上させた。また、本研究で用いる全球気候モデルCAMは、地球システムモデルCESMを構成するモデルの1つであり、将来的にエアロゾルの海洋・陸域・雪氷との多圏相互作用に関する研究へと発展させていくことが可能である。このような点から、本研究の新たな方法論とそれによって得られた知見は、エアロゾル研究とその発展に大きく貢献するものである。
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