研究課題/領域番号 |
17H04731
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会システム工学・安全システム
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研究機関 | 長崎大学 (2018-2021) 東京大学 (2017) |
研究代表者 |
伊東 啓 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (80780692)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 抗生剤 / 薬剤耐性菌 / AMR / 社会的ジレンマ / シミュレーション / 数理モデル / 進化 / 行動 |
研究成果の概要 |
抗生剤の使用と、その積み重ねが生み出す薬剤耐性菌の進化及び拡散を再現するマルチ・エージェント・シミュレーションを開発した。また、複雑ネットワークを導入した感染症の数理モデルを多数発表した。これに加え、研究途上では抗生剤使用の背景にある社会的ジレンマの存在に気づいたことで研究を飛躍的に発展させた。ここでは計8カ国に跨る国際Web調査を展開し、各国における抗生剤の使用に関する社会的ジレンマの認識割合と、その推定強度を世界で初めて検証した。
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自由記述の分野 |
数理科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究発足当初から薬剤耐性の問題は危惧されていたが、コロナ禍によってさらに注目度は集まっている。感染症問題そのものが世界全体の課題であることが広く認識された上に、薬剤耐性による死亡数がマラリアやHIV/AIDSに匹敵しているという報告も出てきた。このような時流の中で展開された本研究は、薬剤耐性の問題、特に社会的ジレンマに食い込むことで大きな成果を得た。特に一般市民が内包する抗生剤の使用に関する社会的ジレンマを明らかにする試みは、本研究以外には存在しない。社会的ジレンマと薬剤耐性の問題は今後ますます盛んに研究されていく科学的領域となるだろう。本研究はそのさきがけとしての役目を果たしたものと信ずる。
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