研究実績の概要 |
発汗反応にカルシウム依存性塩素チャネルが寄与する可能性が、in vitroのデータより示唆されている。しかし、これがヒトでの体温上昇時の 発汗反応、皮膚血管拡張反応に影響するかは明らかでない。また、ナトリウムポンプが発汗反応に重要であることは知られているが、これが体温上昇時の皮膚血管拡張反応に影響しているかは不明である。本研究では、上記の不明な点を検討することを目的として、2つの実験を行った。
いずれの実験も健康な若年成人を被験者とした。前腕4部位に、マイクロダイアリシスのチューブを挿入し、各処置部の皮膚血流量 (レーザードップラー血流計)と発汗量 (カプセル換気法、実験1のみ)を測定した。さらには、血圧、心拍数、深部体温、皮膚温なども同時に計測した。実験1では、水循環スーツに温水 (42-50℃)を循環させることで深部体温を1℃上昇させた。実験2では、局所の皮膚温を39℃に上昇させ、皮膚血管拡張を起こした。 実験1では、前腕4か所のマイクロダイアリシスに、以下の薬品をそれぞれ連続投与した:①リンガー溶液、②DMSO, ③T16A inh -A0 1, 、④Benzobromarone 実験2では、前腕4か所のマイクロダイアリシスに、以下の薬品をそれぞれ連続投与した:①リンガー溶液、② Ouabain, ③L-NAME, ④2つの薬品の組み合わせ。
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