研究課題
本研究では、優秀な天然物の局所骨格を拝借しつつ、全体の分子骨格を人工的に創製することで、より多彩な活性を発揮する人工分子『擬天然物』を開発できないかと着想した。具体的には、強い生物活性を誇る天然物の一種として知られている、ポリケチド-ペプチド複合分子(PKPH)を擬天然物のモチーフとして着目した。本研究では、ポリケチド様の炭素主鎖骨格を翻訳反応を用いて構築する新手法を確立する。これにより、大規模な人工PKPH化合物ライブラリーを一挙に合成し、任意の生物活性を示す人工PKPH化合物を探索するシステムの樹立を最終目標として掲げる。昨年度までの研究で、翻訳反応中に炭素-炭素結合を形成することでPKPH化合物を翻訳合成するために必要な人工翻訳基質を設計及び合成、及び翻訳反応後に化学的に主鎖骨格の組換えを行う戦略に必要となるα-ヒドロキシ酸基質についても、設計・合成を完了し、モデルペプチドへの翻訳導入についても実証している。さらに、α-ヒドロキシ酸基質を含むペプチド上での主鎖骨格組換え反応の条件検討を行った結果、主鎖組換え反応に適した反応条件を見出した。これにより、複数のPKPHモデル化合物の合成にも成功した。当該年度においては、これまでに確立したPKPHの翻訳合成法を活用することで、既知の生物活性分子を試験内翻訳系で精算できることを実証すると共に、本合成法を活用した化合物ライブラリー構築及びそのスクリーニングも行った。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件、 招待講演 8件)
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