研究課題/領域番号 |
17H04767
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
松浦 直毅 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教 (60527894)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アフリカ / 熱帯雨林 / 大型類人猿 / 持続的開発 / 環境保全 / ヒトと動物の関係 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大型類人猿の重要な生息地であるとともに長期野外研究の拠点でもあるアフリカ中部の三つの自然保護区(ガボン:ムカラバ・ドゥドゥ国立公園、コンゴ民主共和国:ルオー学術保護区、タンザニア:マハレ山塊国立公園)において、地域住民を対象に人類学・民族誌的調査をおこなうことで、地域に根ざした視点から、類人猿の研究と保全が統合的に発展し、将来にわたって地域の持続的開発にも資するような新たな保護区運営システムを提案することである。 初年度である平成29年度は、まず4月に各調査地の研究連絡会議に参加して、情報交換と研究打ち合わせをおこない、4~6月にこれまでに収集したデータの整理分析と文献資料の収集をおこなった。7~9月にはコンゴ民主共和国に渡航し、類人猿と住民の関係、住民の土地利用、開発事業と持続的な資源利用などに関して現地調査をおこなった。12~1月にはガボンに渡航し、エコツーリズム開発事業と地域社会の関係について調査した。 学会・研究会発表として、5月に日本アフリカ学会、2月に東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・フィールドサイエンスコロキアム、3月に生態人類学会でそれぞれ口頭発表した。刊行物として、ガボンでの研究成果をまとめた学術論文が『アフリカ研究』92号に掲載され、アフリカ熱帯雨林の狩猟採集民の人道危機に関する論考を寄稿した学術書が刊行された。コンゴ民主共和国での調査に関しては、所属しているNPOのウェブサイトで連載エッセイを企画して、広く一般向けに情報発信をおこなっている。 全体として、おおむね当初の計画通りに研究を遂行できており、着々と成果が蓄積されているといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査をおこなってデータを蓄積することができたほか、すでに複数の学会・研究会で報告し、学術論文1編も刊行された。
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今後の研究の推進方策 |
これまで順調に計画が遂行されていることから、今後もひきつづき計画に沿って研究を進める予定である。平成30年度からは新たにタンザニアを調査地にくわえるが、同じ地域で調査をしている関係者と連携することで円滑に調査を実施する。大統領選挙や政情不安などの外部要因が問題点としてあげられるが、三つの調査地域それぞれについて、現地情報を適切に収集し、渡航計画を柔軟に変更するなどして対応する。
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