研究課題
本研究の目的は、大型類人猿の重要な生息地であるとともに長期野外研究の拠点でもあるアフリカ中部の三つの自然保護区(ガボン:ムカラバ・ドゥドゥ国立公園、コンゴ民主共和国:ルオー学術保護区、タンザニア:マハレ山塊国立公園)において、地域住民を対象に人類学・民族誌的調査をおこなうことで、地域に根ざした視点から、類人猿の研究と保全が統合的に発展し、将来にわたって地域の持続的開発にも資するような新たな保護区運営システムを提案することである。2年目となる平成30年度は、Congo Research Networks Conference 2018、12th International Conference on Hunting and Gatherer Societies、日本アフリカ学会、生態人類学会など、国内外の学会において成果を報告した。ガボンにおけるエコツーリズム開発の取り組みについて、ウェブジャーナルglobal-eに掲載された。また、コンゴ民主共和国での調査に関しては、所属しているNPOのウェブサイトで連載エッセイを企画して、広く一般向けに情報発信をおこなった。現地調査として、8~9月にタンザニアにはじめて渡航し、住民の生計や土地利用の状況について調査するとともに、国立公園や保全活動と地域社会の関係について調査をおこなった。また、12~1月にはガボンに渡航し、エコツーリズム開発事業と地域社会の関係について調査した。研究協力者をコンゴ民主共和国に派遣し、7月~12月に住民組織の動態や土地利用状況などの調査を進めた。おおむね当初の計画通りに研究を遂行できており、着々と成果が蓄積されているといえる。
2: おおむね順調に進展している
タンザニアでの1回目の調査で十分な成果が得られるとともに、これまでの研究成果についても着実にまとめられており、学会発表や論文等の成果があがっているため。
これまで順調に計画が遂行されていることから、今後もひきつづき計画に沿って研究を進める予定である。本課題の国際発信を推進するための研究課題として、科研費国際共同研究強化 (A) に採択されたことから、海外機関と連携しながらよりいっそうの発展を目指す。2018年度は、大統領選挙など調査国における政治的イベントは、大きな騒動にはならずに終わったが、ひきつづき政治状況を注視しながら渡航計画を進める。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
global-e (UC Santa Barbara)
巻: 12(2) ページ: Jan 17, 2019