研究実績の概要 |
本研究課題は、16H06876「「狂気と創造性」の問いをジャック・ラカンの精神分析理論をもとに発展させる試み」を発展・継承するものであり、これまで行ってきた西洋思想から現代思想に至る狂気と創造性についての研究は、2019年3月末に『創造と狂気の歴史』に単著としてまとめられた。今年度は、この成果を国際発信することを中心に研究を進めた。 まず、前掲書のジル・ドゥルーズにおける「狂気と創造性」についての議論を、世界のドゥルーズ研究者が集う関するDeleuze/Guattari Camp 2019において「Lacanian and Deleuzian Perspectives on Autism」としてその概要を発表した。その内容の一部は雑誌『こころの科学』に掲載された。さらに、Deleuze/Guattari Camp 2019でのフィードバックを受けてブラッシュアップしたものを、フランスの精神分析家を数多く招聘して行ったシンポジウムCorps, Art, Folie - La douleur a l’oeuvreにおいて「L’autisme, d’un point de vue lacanien et deleuzien」として発表した。なお、今年度の補助金はこの後者のシンポジウムを共催するためにも用いられた。 その他、国内の日本病跡学会総会でも、本研究課題についてシンポジウムで提題し、本研究課題の重要性を国外・国内に広くアピールすることができた。
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