研究課題
2020年度には,言語類型論的な特異性にも着目しながら北東ユーラシアチュルク系諸言語の証拠性・自己性・所有構造に関する研究を行った.第1に,サハ語の過去時制における証拠性表現の特質を明らかにした.第2に,トゥバ語における証拠性と自己性に関して記述するとともに類型論的な位置づけを行った.第3に,サハ語の所有構造の類型と意味的特徴の相関を示した.第4に国際研究活動として,2020年12月の2020世界韓国語大会および2021年1月の韓国言語類型論学会第13回国際学術大会において講演を行った(いずれもオンライン参加).第5にアウトリーチ活動として,北海道大学アイヌ・先住民研究センター主催の講演会「フィールド言語学とフィールド言語学者のダイバーシティ」において「サハ語の現在から過去を推し量るには」と題する講演を行った(2020年9月).研究期間の延長を行った2021年度には,主として北東ユーラシアチュルク系諸言語の語彙対照・形態音韻論・格形式に関する研究を行った.第1に,サハ語とトゥバ語の語彙対照を行い,音韻対応・語形対応・意味のずれに関する整理を行った.第2に,チュルク語北東語群における接辞頭子音交替を検討し,言語ごとの交替パターンの違いを示した.第3に,チュルク語の所格接辞からサハ語の分格接辞に至る変遷に関して,周辺のチュルク語および非チュルク語における格形式との対照からの検討をを行った.第4に国際研究活動として,2021年6月の雲南民族大学での講演と2021年7月の韓国アルタイ学会での口頭発表を行った(いずれもオンライン参加).第5にアウトリーチ活動として,大東文化大学で「シベリアの少数民族:サハとトゥバの言語と文化」と題する講演を行った(2021年10月,オンライン参加).
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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北東アジア諸言語の記述と対照2
巻: - ページ: 133-153
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言語の普遍性と個別性
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Aspects of Turkic Languages: Phonology, Morphosyntax and Semantics
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