研究課題
土器残存脂質分析や安定同位体分析の手法を用いて、日本列島における縄文時代から弥生時代への生業・食性・調理行動の移り変わりを実証的に追跡しようとした。3年度目の2019年度には、朝鮮半島・北部九州・中部高地・東海・関東・東北など日本各地の遺跡から出土した土器400点余りから残存脂質を抽出するためのサンプリングを完了した。従来法による生物指標分析・個別脂質安定炭素同位体比分析に加え、熱分解ガスjクロマトグラフ質量分析計を用いた新手法の洗練化のための実験を行った。また、朝鮮半島の遺跡出土の炭化米の窒素・炭素安定同位体比のデータを用いて、導入期のイネの栽培環境について議論する論文を準備した。その他、研究の途中経過などを関係する学会や外国(中国、韓国、カザフスタン)における招待講演などで成果公表した。
2: おおむね順調に進展している
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を最小限に抑えることに成功し、計画通りに進んでいるため。
最終年となる次年度には、GC-c-IRMSなど残りの測定を順次進めるとともに、得られた膨大なデータを分析・整理し、考古学的情報と合わせて解釈へと進め、論文化を目指す。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件、 招待講演 9件) 図書 (2件)
Quaternary Science Reviews
巻: 229 ページ: 106124~106124
10.1016/j.quascirev.2019.106124
考古学ジャーナル
巻: 734 ページ: 21~24