研究実績の概要 |
土器残存脂質分析や安定同位体分析の手法を用いて、日本列島における縄文時代から弥生時代への生業・食性・調理行動の移り変わりを、朝鮮半島など周辺地域も視野に入れながら実証的に追跡しようとした。最終年度の2020 年度には、朝鮮半島・北部九州・中部高地・東海・関東・東北など日本各地の遺跡から出土した土器400点余りから抽出した残存脂質をガスクロマトグラフィー(GC-MS, GC-c-IRMS, PyGC-MS)によって分析し、生物指標の有無や特定化合物の異性体比率を検討した。その結果に基づき地域・時期による資源利用の変化を追跡したところ、縄文時代から弥生時代の移行期における水産資源や植物資源の利用状況の変化が、地域によって異なるパターンを見せることが明らかになった。
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