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2018 年度 実績報告書

労働市場制度と賃金格差の実証分析

研究課題

研究課題/領域番号 17H04782
研究機関京都大学

研究代表者

山田 憲  京都大学, 経済学研究科, 准教授 (60753259)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード賃金格差
研究実績の概要

本研究の目的は、労働市場における制度や政策が賃金格差の抑制に果たす役割を検証することである。本研究では、近年多くの国でその役割が期待されている最低賃金に特に焦点を当て、労働市場制度が賃金格差に影響を与える仕組みを実証的に分析した。
賃金格差には、異なる属性を持つ労働者の間の格差と同じ属性を持つ労働者の中の格差の二種類がある。具体的には、前者は例えば学歴間格差や年齢間格差や男女間格差のことであり、後者は例えば同じ学歴で同じ年齢で同じ性別の労働者の中での格差のことである。通常、前者の格差は技術進歩や労働力の構成や差別に起因すると考えられ、後者の格差は制度に起因すると考えられている。その二つの格差のどちらも賃金格差の拡大に寄与していることは知られているが、その二つの格差の趨勢のどの程度が最低賃金に起因するのかは知られていない。
本研究の貢献は、最低賃金が賃金格差に与える影響を、異なる属性を持つ労働者の間の格差に与える影響と同じ属性を持つ労働者の中での格差に与える影響に分けて測定することである。つまり、本研究では、最低賃金が学歴間格差や年齢間格差や男女間格差に与える影響と、最低賃金が同じ学歴で同じ年齢で同じ性別の労働者の中の格差に与える影響の両方を測定した。さらに、その際には、従来の分位点回帰の手法を改良することによって、どちらの格差も平均だけではなく分位点ごとに測定した。それにより、最低賃金が賃金格差に影響を与える仕組みを定量的に評価した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新しい分位点回帰の手法を用いて、最低賃金が賃金格差に与える影響を推定した。この研究で得られた成果を、多くの学会や研究会で報告し、論文として公表した。

今後の研究の推進方策

学会や研究会などの機会を通じて得られた専門家からの意見や感想を基に論文を改訂したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] モナシュ大学(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      モナシュ大学
  • [雑誌論文] Heterogeneous impact of the minimum wage: implications for changes in between- and within-group inequality2019

    • 著者名/発表者名
      Tatsushi Oka, Ken Yamada
    • 雑誌名

      arXiv

      巻: 1903.03925 ページ: 1-38

    • オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Heterogeneous impact of the minimum wage2018

    • 著者名/発表者名
      Ken Yamada
    • 学会等名
      Society of Labor Economists Annual Meeting
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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