研究課題/領域番号 |
17H04785
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研究機関 | 国立社会保障・人口問題研究所 |
研究代表者 |
是川 夕 国立社会保障・人口問題研究所, 人口動向研究部, 第3室長 (40603626)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 移民 / 移住過程 / ニューカマー外国人 / パネル調査 / 留学生 |
研究実績の概要 |
昨年度の調査実績は以下の通りである。 第一に昨年度の調査結果を分析するとともに、同調査において確保した調査対象者633名を対象に追跡調査を行った。その結果、約43%に相当する274名から回答を得ることが出来た。第二に新規調査対象者(ウェーブ2)を対象とした調査を実施した。その際、調査方法を改善したことから、当初の予想を超える2,478名の回答者から回答を得ることが出来た。またこの内、日本語学校に在籍する者を対象に昨年の調査結果と合わせて分析を行い、教育達成を通じた移住過程としての日本語学校の位置づけに関する分析を行った。第三に、JASSOが実施する「私費外国人留学生生活実態調査」の結果を踏まえ、日本語学校以外の教育機関に在籍する留学生の移住過程に関する予備的分析を行い、こうした新たな対象者についても本調査の結果を用いて分析を行うことの妥当性を確認した。第四に「国勢調査」の個票データを用いた二次分析を行うことで、日本に住む外国人の移住過程における社会的統合の状況に関する分析を並行して行った。具体的には労働市場における地位達成、ジェンダー、階層的地位の世代間変動といった視点から分析を行い、論文やワーキングペーパーとして公表した。この他、本研究の成果の公表、及び本研究の問題意識を広く社会に問うことを目的として、2冊(編著、単著各1冊)の書籍として刊行するための作業を行った(書籍は2019年5,8月に刊行予定)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初、初年度にプレ調査を計画していたものの、当初の予定を超えた回答者を得ることが出来たため、そのまま第1回本調査とすることができた。そのため、2年目(2018年度)には633名の対象者に継続調査を実施することができた。また2年次に行った新規ウェーブ調査においては、初年度の結果を踏まえ調査方法を工夫することで昨年の実績を大きく上回る2,478名の回答者から回答を得ることが出来た。更に得られたデータの信頼性、代表性について比較可能な他の調査結果をもとに検証を行ったところ、国籍や居住地などいくつかの重要な指標において、高い一致性を確認することができた。こうしたことから、当初の予定よりも早く本格的な分析に着手することが可能になるなど、当初の計画以上の進展が見られた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は昨年度に実施した調査の対象者に対する継続調査を実施するとともに、新規の調査対象者に対する実査を行う。また、昨年度までの調査結果に基づき順次分析を行う。その際、「私費外国人留学生生活実態調査」(JASSO)、「国勢調査」、「就業構造基本調査」(以上総務省)、「外国人雇用対策に対する実態調査」(厚生労働省)などの既存の調査の個票データを二次利用することで、本調査結果に基づく分析結果の妥当性を検証する際のレファレンスとする。
実施計画 4-5月 各種データの二次利用申請、昨年度までの調査結果の分析(~12月)、6-7月 今年度実査の企画、8-9月 実査準備、10-12月 実査、1-3月 調査結果の分析
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