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2017 年度 実績報告書

柔軟な学習の調整を可能にする脳メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17H04789
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

柴田 和久  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 主幹研究員(任常) (20505979)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード学習 / 視覚 / 脳イメージング
研究実績の概要

学習内容を長期的に保持すること、必要に応じてこれを強化することは、学習全般に普遍的に求められる重要な機能である。一見相反するこれらの機能を、脳はどう実現しているだろうか? 本研究は、視覚における見分けの学習(知覚学習)を題材にこの問題に取り組む。特に「脳視覚野における興奮性・抑制性神経修飾物質のバランス変化が知覚学習の保持・強化を制御する」という仮説を実験的に検証する。第一に、脳内の神経修飾物質を非侵襲的に計量する唯一の技術(磁気共鳴分光法)を視覚課題訓練と有機的に組み合わせ、知覚学習の保持・強化に伴い視覚野の興奮・抑制バランスがどう変化するか検討する。第二に、申請者固有の技術(ニューロフィードバック)を磁気共鳴分光法と組み合わせ、興奮・抑制バランスが知覚学習の保持・強化を因果的に制御することを実証する。

本年度および次年度繰越分の予算をもとに、第一の目的に特に集中し、行動実験および磁気共鳴分光法を用いた興奮・抑制バランス測定実験に従事した。行動データおよび興奮・抑制バランスデータを有機的に組み合わせた解析を行った結果、知覚学習の再活性・再固定プロセスに対応して、興奮・抑制バランスの上昇と下降が起こるという知見を得た。この知見をもとに論文を執筆し、幾度かの不受理を経て、最終的にはヒト研究におけるトップジャーナルのひとつであるNature Human Behavior誌に採択され、出版された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

第一の目的に即した実験・解析・論文執筆が完了し、論文の受理・出版に至ったため。

今後の研究の推進方策

平成30年度は、第二の目的である興奮・抑制バランスが知覚学習の保持・強化を因果的に制御するという仮説の検証を行う。この目的のため、申請者固有の技術(ニューロフィードバック)を用い、興奮・抑制バランスを制御するための実験系を確立する。実験系を確立したのち、視覚課題訓練後の被験者(24名を予定)に対してニューロフィードバックによる興奮・抑制バランスの上げ下げを行う。仮説が正しければ、興奮・バランスを上げたときは知覚学習が不安定になり、興奮・抑制バランスを下げたときは安定的になるはずである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] ブラウン大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ブラウン大学
  • [雑誌論文] Consolidation and reconsolidation share behavioral and neurochemical mechanisms2018

    • 著者名/発表者名
      Bang JW, Shibata K, Frank SM, Walsh EG, Greenlee MW, Watanabe T, Sasaki Y.
    • 雑誌名

      Nature Human Behavior

      巻: 2 ページ: 507-513

    • DOI

      10.1038/s41562-018-0366-8

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2019-12-27  

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