学習内容を長期的に保持すること、必要に応じてこれを強化することは、学習全般に普遍的に求められる重要な機能である。一見相反するこれらの機能が脳でどう実現されるかを調べるために、本研究では、視覚における見分けの課題訓練と核磁気共鳴分光法を組み合わせた実験的検証を行い、以下の成果を得た。第一に、視覚課題訓練後の学習内容の固定化、脱固定化、再固定化に伴い、脳の低次視覚野における興奮・抑制バランス(グルタミン酸・GABA比)が変化することを突き止めた。第二に、脳の興奮・抑制バランスを操作するためのニューロフィードバック技術の開発に着手した。この開発は、発展的な形で次の基盤研究Aに引き継がれる。
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