申請者はこれまでに,Feイオン42個からなるナノサイズ分子磁石(Fe42: 磁石の大きさが90ボーアの世界最高値を示す)の開発に成功してきた。本研究ではFe42核ナノサイズ分子磁石のFeイオンをMnイオンやNiイオンに置換することで新奇機能を発現する新規ヘテロメタル混合原子価ナノサイズ分子磁石の開発を目的として研究を行った。その結果,Fe24Mn18, Fe24Ni18の新規ナノサイズ分子磁石の合成に成功した。その結果,42核から成る金属イオンケージ骨格は柔軟に混合原子価状態を変化させることができ,また磁気特性も強磁性,反強磁性と制御できることが明らかとなった。
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