研究課題
本年度は物質の1分子検出にむけ、自己加熱能を付与する表面修飾ナノワイヤ構造と直径0.2-10 umサンプルの電流を検出するポア構造を融合するナノワイヤ/ポアデバイス構造の開発を行った。直径0.2-10 umサンプルを電流検出可能なポア構造を作製するために、シリコーンゴム(PDMS等)製ポア構造の開発に着手した。PDMS製ポア構造をガラス基板と貼り合わせ、0.2-10 umのサンプルの検出を達成した。サンプル検出時の印加電圧値を調整することで、大きなポア形状を用いて小さなサンプルの計測に成功し、幅広なサイズに適応可能なポア構造を開発した。さらに、当該ポア構造は、サンプルのそれぞれの直径に応じた電流値の変化を検出することができ、電流値変化の検量線よりサンプルの直径の定量に成功した。次に、ナノワイヤ/ポアデバイス構造の融合に着手した。PDMS製ポア構造を貼り合わせるガラス基板に、自己加熱能を持つ表面修飾ナノワイヤ構造を作製し、ポア構造の直前にナノワイヤが設置されるようにガラス基板とPDMSを貼り合わせることで、ナノワイヤ/ポアデバイス構造の融合を達成した。ナノワイヤの加熱時における水の温度上昇と抵抗値変化がポアデバイスの電流検出に影響を及ぼすことは開発当初より予想されていたが、マイクロ流路による効率的な熱の拡散の影響により、温度上昇による抵抗値変化が抑えられることを確認した。その後、マイクロ流路へのサンプル導入、ナノワイヤによるサンプル捕捉、加熱によるナノワイヤからのサンプル脱離、サンプルの電流値検出を同一デバイスで行った。脱離には、キレート剤などによる脱離条件の検討も行い、効率的な脱離方法を見出した。最後に、初年度に開発したペプチドを用い、表面修飾ナノワイヤによる選択的分離、ナノワイヤの自己加熱能による段階的脱離、ポア電流検出部によるサンプルの1分子検出を検討した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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