本研究課題では,深紫外領域における時空間スペクトロスコピーの開拓と,それによる超ワイドギャップ半導体の光物性解明を研究目的とした.具体的には,世界最短波長で動作する深紫外走査型近接場光学顕微鏡の開発と,同位体制御ダイヤモンドの励起子光物性の解明を研究計画とした. 最初の目的については,平成30年度に世界最短励起波長(210 nm)・検出波長(>220 nm)を有する深紫外走査型近接場光学顕微鏡の開発に成功した.本成果は,窒化物半導体分野で最も権威のある国際会議(IWN2018)にて招待講演に格上げされ,2019年度春季応用物理学会での招待講演を引き受けることとなった.なお本成果は現在学術誌に投稿し査読中である. 2つ目の目的については,同位体制御された合成ダイヤモンドに対して,深紫外CWレーザを用いた極低温下フォトルミネッセンス測定を世界で初めて行い,ダイヤモンドにおける同位体効果が励起子に及ぼす影響を精密定量した.本成果はJJAP誌に採択済である.関連して,ナノ多結晶ダイヤモンドに対して深紫外フォトルミネッセンス測定を行い,ナノ多結晶ダイヤモンドからの深紫外バンド端発光を世界で初めて観測した.本成果は現在論文に纏めているところである.
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