遷移金属酸化物のエピタキシャル薄膜やヘテロ構造を対象として、スピン軌道相互作用が関連した物性に着目しつつ物性開発を行った。、ヘテロ構造化による「遷移金属-酸素結合」の変化に伴って、遷移金属中の磁気異方性は変調されることを示した。また磁気記憶材料の重要な特性の一つである垂直磁気異方性の安定化には、酸化物中への圧縮ストレインの印加が有用であった。この知見を活かすことで、通常であれば共存することが稀なハーフメタル電子構造と垂直磁気異方性が共存する酸化物NiCo2O4を作製できた。また酸化物ヘテロ構造で見られるトポロジカルホール効果的な振舞いに関して実験結果に基づいて別解釈を提示した。
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