本研究の目的は、生細胞表層に生じるナノスケールの物理動態を可視化可能な走査プローブ顕微鏡技術を開発することである。細胞表層を低侵襲で計測するために、ナノピペットをプローブとして利用する走査型イオン伝導顕微鏡の基本性能を飛躍的に向上させることで目的達成を目指した。高速スキャナの開発とその制振制御、高解像プローブの信号雑音比の改善、イオン伝導計測の安定性を向上する技術をなどの開発によって、細胞表層のナノ構造形状動態を数秒/画面程度で計測できるようになり、時空間分解能は類似技術の中で世界最高を達成した。更に、細胞表層の形状動態と同時に局所弾性率、局所表面電荷を高速に計測する技術の開発に成功した。
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