研究実績の概要 |
2019年度本研究課題は極めて大きく前進した. 具体的には, 我々は以下に述べるように多くの結果を得て, それらのプレプリントを作成した. (1) Metcalfeとの共同研究:1911.00842「Gelfand-Tsetlin polytopes and random contractions away from the limiting shapes」のプレプリントを専門誌へ投稿した.長年, Metcalfe氏とdeterminantal point processと量子情報の関係について研究して,最大固有値が大きくなる確率のシャープな評価を与えた. (2) Gaudreau Lamarre, Maleとの共同研究:1911.07627 「Asymptotic Freeness of Unitary Matrices in Tensor Product Spaces for Invariant States」のプレプリントにまとめ, 専門誌へ投稿した.これも長年の共同研究のプロジェクトでした。Male氏により導入されたTraffic freenessがtensor unitaryの文脈に正確に対応していることを証明した. (3) Guionnet, Parraudとの共同研究:2003.00894「On the operator norm of non-commutative polynomials in deterministic matrices and iid GUE matrices」のプレプリントにまとめ専門誌に投稿した.Parraud氏は研究代表者とLyon大学のGuionnet氏の博士課程の学生(joint supervision)である. この論文では、HaagerupとThorbjornsenの独創的な論文の結果について, 新しい定量的な証明を与えた.
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の核の1つである, Bordenave氏と強自由性とテンソル積についての共同研究を完成させる.この研究結果は大きなテンソル積空間の新しい理論と具体的な計算法を提供する.並行して,次のことにも着手する. Lionni氏とGurau氏とのtensor積空間における自由性についての論文の最後の部分を完成させる. このプロジェクト後にそこから見出された具体的な興味深い例をWeingarten解析を使って,佐久間氏とのテンソル積空間モデルにおけるoutlierについての共同研究も行う. また, Magee氏とsurface groups上でWeingarten理論を発展させる.
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