研究課題/領域番号 |
17H04824
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岩渕 司 東北大学, 理学研究科, 准教授 (40634697)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 圧縮性Navier-Stokes方程式 / 真空 / Dirichlet 条件 / Neumann 条件 / 積の評価式 |
研究実績の概要 |
圧縮性ナヴィエ-ストークス方程式の自己相似解について昨年度得られた解の存在の結果をうけてもう1つのタイプの解を得ることができた。密度、速度、速度が入った圧縮性方程式の球対称な特殊解で真空の存在も加味したものである。初期時刻では真空が現れないが時刻が少しでも経過すれば原点でのみ真空が現れる。空間遠方での挙動は昨年度の非真空の場合の特殊解と同様に方程式のスケール不変性から定まる多項式オーダーの減衰を示す。これによって、空間遠方の挙動を多項式のオーダーで制御するだけでは真空と非真空の違いをきちんと理解することは難しい、ということがわかった。 領域上の関数空間論については、空間1次元においてディリクレ境界条件とノイマン境界条件をつけた関数空間を考え、1階微分の役割についての結果を得た。微分と、境界条件の変化について調べて、ある設定でディリクレ条件およびノイマン条件を課した関数空間の間の同型写像の存在を示した。加えて、半空間上の場合の積の評価について研究した。評価式の成立について正則性の指数に関する十分条件を得た。Sobolev 空間とBesov空間の両方について考察した。これらの関数空間での違いはそれほどないが、得られた指数が必要十分条件になっているかどうかについて知見を得ることができた。途中経過であるが関数の境界における挙動によって積の評価式の成立に影響を及ぼすことがわかった。双線型からはじめて多重線型の場合を調べて一定の結果を得ることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
圧縮性Navier-Stokes方程式の自己相似解の存在について、真空を加味したものを構成できたため。
|
今後の研究の推進方策 |
今回取り扱っている方程式に対する可解性について考察したいと考えている。自己相似解については球対称性を課した解の存在を示したため、それを一般化させることを考えている。関数空間論については半空間の場合に一定の結果が得られたため、それを精密化する。
|