【検出器ヘッドの開発】これまで、金沢大学がHi-z GUNDAM計画のために試作したCMOS読み出し回路を性能評価に使用してきたが、衛星側のリソースに合わせるため、センサヘッドを小型化しつつ、センサからの排熱を衛星外壁に設けた放熱板から排熱する熱的な機構を設けるなどの大幅な設計改修を行い、その性能評価までを完了した。 【光学系設計】これまでに研究・開発してきた光学設計に基づき、レンズ実装設計を進め、最終的にフライト環境に耐える様な望遠鏡システムの設計・製造を完了した。 【熱環境試験】上記2つを組み合わせた紫外線望遠鏡システムは、鏡筒部分の温度安定性が±1度以内、センサ部分は-20度C以下というきびしい熱設計要求を満たさなければならない。これまで、これまで解析とシミュレーションで検証してきた熱・構造についての実機検証として、簡易的な熱構造モデルを構築して熱真空試験を実施し、その設計方針が確からしいことを確認した。 【衛星バス開発】本ミッションのために、超高性能STTと速報配信用のGlobalstar送信機を独自に開発し、プロトタイプとなる50kg衛星 HIBARIに搭載して2021年11月9日に内之浦より打ち上げた。現在も順調に動作しており、日本の超小型衛星の姿勢制御の根幹となる姿勢センサの精度を一桁上げ、世界のトップメーカーと初めて競合できるレベルに押し上げた。また、Globalstar送信機も完全に動作しており、ほとんど遅延なくテレメトリを地上に送信できることを実機で検証した。 この成果を応用してうみつばめ衛星を設計し、6月に基本設計審査、12月に詳細設計審査を実施し、フライトモデルの部品発注まで進めた。
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