本課題による新天体発見数は特筆すべきもので、現在人類の知る最遠方クエーサーのうち、半数近くは本課題による発見となっている。それらの追観測・研究が世界中で計画されており、今後大きく長い研究の潮流を生むことが期待される。また光度ごとの数密度を表す「光度関数」は、あらゆる天体種族の最も基礎的な観測量であり、最遠方クエーサーでこの関数を決定したことの意義はその根本的理解の上で極めて大きい。クエーサーのエネルギー源である巨大ブラックホールについては一般市民からの関心も高く、その本質に迫る世界最先端の成果を得たことの社会的意義も大きいものと考えている。
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