研究課題
三中性子のみから成る量子系(3n状態)の探索実験に向け、整備を継続した。実験では、三重水素標的に対して荷電交換型(t,3He)反応を適用することで3n状態を生成する。本年度は以下を実施した。実験に使用するチタン吸蔵型三重水素標的については、測定の分解能を向上させる目的で、標的を平坦化する製作法の探索を実施した。探索には重水素を利用した。チタンをフレームと押さえ板の間に挟み込んだ状態にしたうえで重水素を吸蔵させることで、チタンの変形を防止し、実際に平坦な標的が製作可能であることを実証した。さらに、三重水素標的の実作に向けて三重水素自身の配備も進めた。またビームラインに設置した際の三重水素管理の為に、ビームラインの随所に真空隔壁を設けることを検討した。実際に厚さの薄い金属製のウィンドウ膜を持った真空フランジを実作した上で、ヘリウムリーク検出器を用いて真空テストを実施し、真空隔壁として利用可能であることを実証した。さらに、標的製作時における、温度、ガス圧、真空度の条件の記録のために、アナログ信号読み出し系の改良とコンピュータプログラムの改良を推進した。また、加速器実験のデータ解析のためのコンピュータプログラムの改良も行った。これらにより、実際に三重水素標的を実作し、またそれを用いて3n状態の探索実験を遂行するための基礎的環境の整備が完了した。これらの実績は随時学会発表などを通して研究者間で情報共有を行い、今後の展開についても議論を行った。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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