SCRIT電子散乱施設にある電子スペクトロメータの前段飛跡検出器を新しく作り変えたことで、散乱電子の軌跡を3次元的に再構成することが可能となった。また、本研究課題で製作した3次元駆動型3次元磁場測定装置を用いることで、電磁石内の磁場マップを作成、スペクトロメータの運動量分解能向上を図った。さらに、新たに製作した炭素薄膜標的を用いることで、散乱電子の運動量スペクトルに見られる弾性散乱ピークの幅からスペクトロメータの性能評価を行った。特に、弾性散乱ピークの隣に炭素の第一励起状態(4.4MeV)のピークを分離して観測することに成功した。これにより、来る不安定核標的を用いた実験の準備は完全に整った。
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