有機物の特性を活かした独自の物質開発によって、従来の有機ラジカル系、さらには長い歴史を持つ無機磁性体でも報告例のない多種多様な量子スピンモデルの形成を実証した。量子スピンモデルにおいて形成される特異な量子状態の解明と活用は、スピンの量子性に着目した次世代科学技術の源泉となる先進的・基盤的な研究成果となる。従来の無機物による古典スピンに立脚した物性研究から、有機物による量子スピンに立脚した基礎物性研究・材料開発へのパラダイムシフトをもたらすものであり、元素戦略の観点からも社会に大きなインパクトを与える。
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