振動分光を用いたラベルフリー顕微鏡において、回折限界を超える超解像の空間分解能を実現する二つの技術開発を行った。まず、回折限界解像度が数ミクロンである赤外顕微鏡の超解像技術である赤外フォトサーマル位相差顕微鏡の原理の提唱と実証を行った。分子振動由来の赤外吸収に伴う光熱変換現象で生じる屈折率変化を、可視光照明による位相差顕微計測を行うことにより、可視光の回折限界の分解能を実現した。次に、近赤外パルス光を用いたコヒーレントラマン散乱顕微鏡のチップ増強による超解像化を目指す実証を開始した。超広帯域コヒーレントラマン顕微鏡の実証に成功し、チップ増強の原理検証を開始した。
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