研究課題
現在の地球内部構造の描像や初期地球における化学進化を解明するためには、地球深部でのマグマの挙動を定量的に理解する必要がある。本研究では地球深部でのマグマの振る舞いを解き明かすべく、地球内部環境を再現した高温高圧実験に基づいた様々な研究を遂行した。特に、(1)高圧下でのケイ酸塩ガラスの構造物性に関する研究、(2)地球内部物質の弾性特性測定の研究テーマに対して積極的に研究に取り組んだ。(1) 高圧下でのケイ酸塩ガラスの構造物性に関する研究地球内部におけるマグマの挙動を理解する上で,その模擬物質であるケイ酸塩ガラスの構造物性を高温高圧条件下で調べることは重要である。パイロープ組成のガラスに対して、超音波法による音速測定とX線回折法に基づく構造解析を行い、弾性特性の特異な挙動を構造変化の観点から解明することに成功できた。この研究成果はAmerican Mineralogistで発表した。また、金属陽イオンがケイ酸塩ガラスの弾性特性に及ぼす効果を系統的に調べ、各イオンの性質を明らかにすることに成功した。この研究成果はPhysics and Chemistry of Mineralsで発表した。(2) 地球内部物質の弾性特性測定核マントル境界での存在が示唆されているwustiteの音速を高温高圧下で測定することに成功した。地震学的の報告されている地震波の超低速度域の存在はwustiteに富むことで説明できることを実験的に示すことができた。本研究成果はProgress in Earth and Planetary Scienceで発表した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件)
American Mineralogist
巻: 106 ページ: 7-14
10.2138/am-2020-7410
Physics and Chemistry of Minerals
巻: 47 ページ: -
10.1007/s00269-020-01098-3
Review of Scientific Instruments
巻: 91 ページ: 155-160
10.1063/5.0009769
Progress in Earth and Planetary Science
巻: 7 ページ: -
10.1186/s40645-020-00333-3