研究課題
本研究課題では、2017年度に引き続き太陽フレア等の爆発現象で知られる、磁気リコネクションに伴うエネルギー変換過程について、特にリコネクション平面に対して垂直成分の磁場が存在する際にX点近傍で観測される、微細構造形成過程に焦点を当てた研究に取り組んだ。2017年度に行われた機材調達及び超解像分光システムの開発、東京大学TS-3U装置の大型アップグレード工事を終え、2018年度春に同装置でファーストプラズマが生成。開発した96CH/320CH超解像イオンドップラートモグラフィを用いて磁気再結合現象の微細構造形成過程の解明実験を開始した。同超解像分光システムは、東京大学TS-3U装置におけるトーラスプラズマ合体実験に投入され、以下を明らかにした。(1)磁気リコネクションにおいて、リコネクション速度が最大となる時間帯近傍において、X点近傍にトロイダル上にリング状の局在した発光リングが生成されるとともに、X点近傍でのイオン温度上昇が観測された。(2)プラズマ合体により電流シート構造が分裂して合体下流に放出されるシート放出現象と同期して、アウトフロー熱化領域である合体下流においてイオン温度がダブルピーク構造を形成する形で上昇し、(3)同ホットスポットは合体下流の再結合した磁力線が形成する磁気面にとらえられ、ポロイダル磁気面上にもリング型の構造を形成することが分かった。(2)の過程で形成されるイオン温度のダブルピーク構造が作るイオン温度勾配は、磁気面を大きく垂直に横切る成分を有するが、0.1Tを超える高ガイド磁場リコネクションの実験環境では、磁力線平行方向と垂直方向への熱伝導係数の比率(κ^i_///κ^i_⊥>>1)の特性により磁力線に沿って熱輸送され、最終的に当初計画であるX点近傍だけでなく、合体プラズマ全域を覆うリング状のグローバルな構造を形成することが初めて明らかとなった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 12件、 招待講演 9件) 備考 (3件)
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