研究課題
HA溶射皮膜-模擬骨界面での摩耗粉形成挙動および溶液特性評価フレッティング疲労試験中の摩耗粉をフィルターで抽出して,サイクル数ごとに種類及び個数を計数した.当初予定していた粒度分布測定装置での測定は,フィルタからの取り出し時にフィルタに微細粒子が残存してしまうため,光学顕微鏡での直接係数法へと変更した.フレッティング疲労き裂形成前後で摩耗粉の排出率が異なっていることが明確に得られ,疲労き裂進展による剛性変化が影響していることを明らかにした.顕微ラマン分光装置による成分分析の結果,殆どは軟らかい模擬骨由来であるが,一部に水酸アパタイト皮膜からの脱落粒子も含まれていた. 疑似体液中でのフレッティング疲労試験から界面はく離の進展速度を測定し,大気中での試験結果との差分により,溶液による溶解速度を推定した.推定した水酸アパタイト皮膜の溶解速度は明らかに応力と比例関係を有しており,応力による加速効果を持つことを明らかにした,摩耗粉によるその場細胞毒性評価マウス骨芽細胞を播種しながら,大気開放系でフレッティング疲労試験中の細胞脱落挙動をその場観察する装置を構築し,フレッティング疲労試験を実施した.サイクル数ごとに細胞が脱落していく様子を観察することに成功し,細胞がフレッティング摩耗粉の放出により減少していることを示した.溶液特性変化のゆるみ促進評価アルギン酸ゲル入りの模擬骨を作成し,アルギン酸ゲルが模擬骨の弾性率など機械的挙動に与える影響を評価した.アルギン酸ゲルの表面でポリウレタンの発泡反応が影響を受けるため,弾性率の低下が体積分率の上昇以上に起こっていることを示した.圧縮試験による強度評価を実施した結果,アルギン酸ゲルからの液体放出により圧潰が促進される様子を観察することができた.
2: おおむね順調に進展している
赤外線カメラの故障のため繰越を行ったが,その後修理が完了して測定は良好に行うことができた.また,予定していた摩耗による毒性評価や,模擬骨の強度低下の影響を評価することができ,当初予定していた研究項目は概ね達成できたと判断されるため,上記の区分とした.
臼蓋カップのゆるみ挙動評価における赤外線,AE同期計測による界面損傷が緩みに与える影響評価を実施するとともに,有限要素解析との組合せによりゆるみリスクを評価する手法を構築することにつなげていく.
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 11件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (27件) (うち国際学会 8件、 招待講演 1件)
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