研究課題
若手研究(A)
本研究課題では、軽くて柔らかいプラスチックの上にIII-V族化合物半導体(GaAs)を薄膜で直接合成し、高い効率と広い汎用性を両立した「ユビキタス太陽電池」の基盤技術を構築することを目的とし、研究を推進した。多結晶GaAs薄膜の結晶粒径と分光感度の相関が初めて実験的に明らかになるとともに、ガラス上・プラスチック上として最大粒径のGaAs膜および最高の分光感度が実証された。フレキシブル多接合太陽電池実現の可能性を開拓する成果である。
電気電子材料
IoT社会におけるエネルギーの確保のため、あらゆるシーンで太陽光発電を利用する技術が求められている。軽くて柔軟で設置場所を選ばず、かつ限られた面積で大きな電力が得られる「フレキシブル多接合太陽電池」はひとつの解決策であり、その基盤技術が構築された点に本研究の社会的意義がある。多結晶GaAs薄膜の結晶粒径と光学特性の相関が実験的に明らかにされたことは学術的に特筆すべき点であり、多結晶系III-V族化合物太陽電池の設計指針としても有用である。